MTA
2009年2月のJOE(根管治療専門医における最も権威のあるアメリカの専門誌)で掲載されていた記事ですが、明らかな水平破折歯にMTAを根管治療専門医が治療した5年経過のレントゲン写真です。寺内先生とも時々会い話をしますが、マジックかよぉ!と思うようなレントゲン写真です。
日本国内における論文や講演を聞いてもMTAの情報が少なくデンツプライのMTAしか紹介されていないので、最近の吉松の講演ではMTAの話を必ずします。このスライドにも出ていないMTA BIO,ProRoot Advanceなども近い将来世界のマーケットに出てくるでしょう。
日本で販売されているMTAの短所 ポートランドセメントが75%入っているため重金属、微量であるがヒ素が入ってる。硬化時間が時間が遅い。
Bioaggregateは、すべて人工的に生産されるナノレベルのセラミック粒子です。そのためアレルギー反応も限りなく少なくなります。
この写真は犬の歯髄に直接覆髄をした経過写真です。8週後の写真ですが左は、ダイカルという水酸化カルシュウムを用いています。そのため修復象牙質は少しはできていますが、マイクロファジーの存在も確認されます。真ん中の写真はデンツプライのMTAです。ダイカルと比べる明に修復象牙質の厚みは増えています。また炎症性細胞も確認できません。右の写真は新しいタイプのMTAです。修復象牙質が従来のMTAよりもさらに厚く形成されていることがわかると思います。根管治療専門医でマイクロスコープを使いできる限り患者さん自身の歯を残す努力をしています。またできる限り歯の神経を残す努力をしています。
さらに最新の論文では、遺伝学的にMTAを用いると骨形成マーカーである、タイプ1コラーゲン、アルカリフォスタファーゼ、オステオカルチン、オステオポンチン、ボーンシアルロプロティンが出てくることがわかってきました。また新しいタイプのMTAは、骨形成細胞誘導能が従来のMTAよりも早いことを示します。
虎ノ門 吉松歯科医院ではガッタパーチャーによる根管充填は、最近ではほとんど行いませんが、MTAのシーラーも2008年からカナダから発売になっています。ブラッセラーUSAがOEMで2009年3月にアメリカで認可を受けた商品は、iRoot SPと同じ商品です。これはもともとミキシングされた新しいタイプのMTAです。
最近の研究でどうしてMTAの表面でハイドロキシアパタイトが形成されるのかの報告が2009・3にありました。またここ1か月前の論文には台湾大学のグループが操作性事態を改善した新しいMTAの報告をしています。
根管治療専門医が、通常の治療を行うと他医院で抜歯を宣告されている歯牙を残すことができます。マイクロスコープを用いて感染源をきちんと除去して薬剤を用いて根管洗浄することにより歯を残すことができます。MTAは、歯を残すためによりよく助けてくれる薬剤です。