1. 根管治療専門の吉松歯科医院
  2. NEWS
  3. 歯科衛生士のチーム医療における予防、メンテナンスの重要性

2010.11.21  SJCD ハイジニストミーティングに参加して
                           
今回のハイジニストミーティングで学んだことをまとめる。

講師  小林明子先生
演題『補綴治療メインテナンスの臨床のヒント』

メインテナンスとは何かを考える。
術者の作品を長持ちさせるためではなく、患者さんが健康を保って行くためにメインテナンスがあることを忘れてはならない。

そもそも、健康とは何か?
→健康の価値観や考え方は人それぞれである。
『健康は患者さんが選んだ人生そのものであり、これを維持していくために私たちのメインテナンスがある。』と小林先生は言う。
私自身でも健康とは何かを考えてみた。

痛くないこと?物が咬めること?見た目が良いこと? 矯正やインプラントを含めた全顎的な治療をすること?一体何をもって健康と言うのか?
人によって治療にかけられる費用や、時間に限りが有るし、どこまでを求め何をするかは10人居たら、10通りの答えがあるので正解はないはずだと考えた。

健康を考えるにあたり、先生は患者が二極化していると表現していた。
痛い所だけや、現在気になるところだけなどの必要最小限の治療の『現状維持』と、
あらゆる手を使い、悪いところは全て完璧に治したい『本物主義』の二極化。
当医院においても、二極化を感じるが、どちらにしても、メインテナンスを長く継続してもらわないことには健康な口腔内を維持していけない。

その為には、医院全体がチームとして動き、患者のモチベーションを下げないようにしなければならない。

チームとは?
チームとは、各自が自分の仕事をしっかりと果たすことで成り立つ。
衛生士の役目は、患者満足の維持と高い技術の提供。
さらに疾病重視から人間重視へ。。。歯を見る、口を見る、人を見る必要がある。

また、人間重視ということは、時間の経過も見て行かなくてはならない。
人には変わるものと、変わらないものがある。
口や体の中は、年齢によって、成長したり、老化していくが、何があっても今の体で生きていくことには変わりがないので、過去に受けた治療原因、技術、材料、結果、家族歴などにも注目すると良い。
過去の治療歴を知ることは、再発を防ぎ、よりよい未来を作るチャンスになる。
また、家族歴を知ることで、遺伝的な疾病などを含めた広い視野が持てる。
完璧な状態を保ち続けられる人間はいないし、大体の人は、多少の問題はありながらも、今以上悪くならないようにメインテナンスし、今ある体と上手く付き合っていると思う。

しかし、メインテナンスを受ける人の割合は、他の先進国に比べると、日本はかなり少ないので、
今後、メインテナンスの必要性がもっと広がるように努力をしていきたいと思う。

次に補綴治療とは何かを考える。

補綴のいいところ。
①補綴治療は、リハビリテーション。←あくまでも、治っているわけではない。
②自信の回復になる。
③プロビで問題解決しているので、使い勝手は良好なはず、、、。
④材料や治療の仕方で、どのくらい前にした処置なのか分かることがある。
が、しかし、補綴は入っていること自体がリスクであることを忘れてはならない。

補綴になることでのリスク
①鉱物は劣化や腐食する。←一生物ではない。
②軟組織と接触する。←補綴の形態などを考える必要がある。
③本来の形態が損なわれる。
④筋肉や関節の運動が変わる。
⑤金属やCR、セラミックの歯などを誤って研磨したりすることで、補綴に人工的な傷を作ることもある。(鏡面反射を削り取ってしまったり、、、。)←なので、不要なポリッシングはしないこと。

以上のことを踏まえて、実際に処置に入る前に、口腔内の見立てをしなければならない。
手順としては、
①事前評価をする。
②診断・判断
③DHケアプラン
④ケア実施
⑤結果の評価

口腔内意の見立てのあと、手をつける前に、患者に伝えなければならないことがある。

古い補綴を見つけた時には、フロスやスケーリング等で、補綴が脱離することがあるので、こちらが触る前からの状況をしっかりと説明し、ご自身でも、リスクの高い場所は認識しておいてもらう。

そう言った説明を怠ると、脱離や歯をEXTすることになった時に、『メインテナンスしているのに、どんどん悪くなる』と言われたりする。
また信頼関係が崩れる原因になり兼ねない。

↓補綴のケアに対しての注意点とホームケアグッズの見直し↓
・CRや硬質レジンは研磨すると、すぐにフィラーが出てきてしまうので、研磨剤はNG。
・口腔内のバクテリアが出す酸で、phが低下し金銀が腐食する。
・口臭の原因である硫化物(硫化水素)でも腐食する。
・銀へのイソジンやヨードの塗布はヨウ化銀を生成し、黒変し二度と取れないので、ヨード系の液体での嗽などはあまりよくない。←チタンは大丈夫。
・2270ppm以上のフッ化ナトリウムではチタンが腐食する。←ホームジェルはNG
・ 硬質レジンの着色は次亜塩素酸ナトリウムで清拭すると綺麗になるので、研磨剤で削らないこと。

クラウンのマージンの位置、ブリッジのポンティックの形態なども考えていかなくてはならない。
歯肉縁下マージンの補綴では歯肉に炎症が出やすい。
歯肉縁上マージンの歯肉の炎症は、大半が歯肉炎である。

インプラントはプロービングして良いのか?
プロービングはするべきである。←4~5日で組織が治るので問題ない。

以上が今回、新たに学んできた内容です。
今後は、今回学んできた情報を活かし、口腔内の見立てを間違えないようすると同時に、患者さんに間違った情報を与えないように注意したいです。
患者さんが心身ともに健康を長く維持していくことを目指し、より良いメインテナンスと信頼関係を築いて行けたら嬉しいです。今後とも、ご指導をよろしくお願いします。歯科衛生士 小林 

2010.11.21  SJCD ハイジニストミーティングに参加して
                           
今回のハイジニストミーティングで学んだことをまとめる。

講師  小林明子先生
演題『補綴治療メインテナンスの臨床のヒント』

メインテナンスとは何かを考える。
術者の作品を長持ちさせるためではなく、患者さんが健康を保って行くためにメインテナンスがあることを忘れてはならない。

そもそも、健康とは何か?
→健康の価値観や考え方は人それぞれである。
『健康は患者さんが選んだ人生そのものであり、これを維持していくために私たちのメインテナンスがある。』と小林先生は言う。
私自身でも健康とは何かを考えてみた。

痛くないこと?物が咬めること?見た目が良いこと? 矯正やインプラントを含めた全顎的な治療をすること?一体何をもって健康と言うのか?
人によって治療にかけられる費用や、時間に限りが有るし、どこまでを求め何をするかは10人居たら、10通りの答えがあるので正解はないはずだと考えた。

健康を考えるにあたり、先生は患者が二極化していると表現していた。
痛い所だけや、現在気になるところだけなどの必要最小限の治療の『現状維持』と、
あらゆる手を使い、悪いところは全て完璧に治したい『本物主義』の二極化。
当医院においても、二極化を感じるが、どちらにしても、メインテナンスを長く継続してもらわないことには健康な口腔内を維持していけない。

その為には、医院全体がチームとして動き、患者のモチベーションを下げないようにしなければならない。

チームとは?
チームとは、各自が自分の仕事をしっかりと果たすことで成り立つ。
衛生士の役目は、患者満足の維持と高い技術の提供。
さらに疾病重視から人間重視へ。。。歯を見る、口を見る、人を見る必要がある。

また、人間重視ということは、時間の経過も見て行かなくてはならない。
人には変わるものと、変わらないものがある。
口や体の中は、年齢によって、成長したり、老化していくが、何があっても今の体で生きていくことには変わりがないので、過去に受けた治療原因、技術、材料、結果、家族歴などにも注目すると良い。
過去の治療歴を知ることは、再発を防ぎ、よりよい未来を作るチャンスになる。
また、家族歴を知ることで、遺伝的な疾病などを含めた広い視野が持てる。
完璧な状態を保ち続けられる人間はいないし、大体の人は、多少の問題はありながらも、今以上悪くならないようにメインテナンスし、今ある体と上手く付き合っていると思う。

しかし、メインテナンスを受ける人の割合は、他の先進国に比べると、日本はかなり少ないので、
今後、メインテナンスの必要性がもっと広がるように努力をしていきたいと思う。

次に補綴治療とは何かを考える。

補綴のいいところ。
①補綴治療は、リハビリテーション。←あくまでも、治っているわけではない。
②自信の回復になる。
③プロビで問題解決しているので、使い勝手は良好なはず、、、。
④材料や治療の仕方で、どのくらい前にした処置なのか分かることがある。
が、しかし、補綴は入っていること自体がリスクであることを忘れてはならない。

補綴になることでのリスク
①鉱物は劣化や腐食する。←一生物ではない。
②軟組織と接触する。←補綴の形態などを考える必要がある。
③本来の形態が損なわれる。
④筋肉や関節の運動が変わる。
⑤金属やCR、セラミックの歯などを誤って研磨したりすることで、補綴に人工的な傷を作ることもある。(鏡面反射を削り取ってしまったり、、、。)←なので、不要なポリッシングはしないこと。

以上のことを踏まえて、実際に処置に入る前に、口腔内の見立てをしなければならない。
手順としては、
①事前評価をする。
②診断・判断
③DHケアプラン
④ケア実施
⑤結果の評価

口腔内意の見立てのあと、手をつける前に、患者に伝えなければならないことがある。

古い補綴を見つけた時には、フロスやスケーリング等で、補綴が脱離することがあるので、こちらが触る前からの状況をしっかりと説明し、ご自身でも、リスクの高い場所は認識しておいてもらう。

そう言った説明を怠ると、脱離や歯をEXTすることになった時に、『メインテナンスしているのに、どんどん悪くなる』と言われたりする。
また信頼関係が崩れる原因になり兼ねない。

↓補綴のケアに対しての注意点とホームケアグッズの見直し↓
・CRや硬質レジンは研磨すると、すぐにフィラーが出てきてしまうので、研磨剤はNG。
・口腔内のバクテリアが出す酸で、phが低下し金銀が腐食する。
・口臭の原因である硫化物(硫化水素)でも腐食する。
・銀へのイソジンやヨードの塗布はヨウ化銀を生成し、黒変し二度と取れないので、ヨード系の液体での嗽などはあまりよくない。←チタンは大丈夫。
・2270ppm以上のフッ化ナトリウムではチタンが腐食する。←ホームジェルはNG
・ 硬質レジンの着色は次亜塩素酸ナトリウムで清拭すると綺麗になるので、研磨剤で削らないこと。

クラウンのマージンの位置、ブリッジのポンティックの形態なども考えていかなくてはならない。
歯肉縁下マージンの補綴では歯肉に炎症が出やすい。
歯肉縁上マージンの歯肉の炎症は、大半が歯肉炎である。

インプラントはプロービングして良いのか?
プロービングはするべきである。←4~5日で組織が治るので問題ない。

以上が今回、新たに学んできた内容です。
今後は、今回学んできた情報を活かし、口腔内の見立てを間違えないようすると同時に、患者さんに間違った情報を与えないように注意したいです。
患者さんが心身ともに健康を長く維持していくことを目指し、より良いメインテナンスと信頼関係を築いて行けたら嬉しいです。今後とも、ご指導をよろしくお願いします。歯科衛生士 小林