テーブルクリニック抄録

近年、MTA、マイクロスコープ、CTによって根管治療の分野は大きく変革してきた。
患者自身が歯の保存を強く求め、セカンドオピニオンとして再根管治療の可能性を求め来院する患者数も増加している。私はインプラント処置を否定するわけではなく、患者の主訴に応じて行う感染根管処置の治療可能な範囲を広げることが望ましいと、考えている。
私は、現在すべての臨床に根管充填材は、MTAを進化させたBioaggregate(BA)、すなわちバイオセラミックス技術を応用したケイ酸カルシウム系セメントを用いている。
生体親和性、辺縁封鎖性、水硬性、抗菌性などを考えると通常の根管充填材としてもMTAやBAを考えるようになった。
最も重要なことは、感染部を確実に除去するということである。MTAやBAで根管充填するから治療が成功するわけではない。
EBMのみに基づき、臨床をするならば破折歯は、破折線の確認が出来た時点で抜歯という選択しかないであろう。著者は、患者からの強い要望や破折歯を保存している一部の臨床家の真似をして破折歯の治療を試みている。まだ、数年の経過症例しかないがMTAと接着歯学を応用すれば、新しい可能性があることを切望している。

Key Words:Bioaggregate,MTA,biocompatibility,4-META-resin,

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