根管治療の土台の種類とは?治療中の痛み、費用はどれくらい?
今回は、根管治療における土台の種類と、治療中の痛みや費用について解説します。
吉松歯科医院では「できるだけ長く自分の歯で生活する」ことを前提に治療しています。
そのためには、まず土台をきちんと整えることが大切となり、歯の根管を綺麗に保つ必要があります。
そこで、これから根管治療を受ける方や、根管治療後の歯に不安がある方に向けて「根管治療における土台の種類や、治療中の痛み、治療費用」などについて説明していきます。
歯は土台が命!
虫歯が悪化して、細菌が歯の内部に入ってしまうと、歯の内部にある「歯髄(しずい)」いわゆる”歯の神経”が汚染され、強い痛みが生じてしまいます。
根管治療とは、汚染されてしまった歯髄を綺麗に除去して、根管の中を無菌状態にする治療法です。
このような大きな虫歯の治療をした後や、歯の破折、繰り返す再治療などにより、歯を支えるための十分な土台が残らない状態になります。
歯を支える土台が少ない場合は、「コア」と呼ばれる人工の土台を使って、歯を補強する治療を行います。
治療した歯を長く保つために、そしてご自身の歯を抜歯せずに守るためにも、根管治療における土台作りはとても重要になります。
根管治療における歯の土台作り
根管治療で歯の治療をした後は、歯の中身が空洞の状態になります。
これは、虫歯菌で汚染されてしまった神経や血管などを取り除く作業を根管治療で行うためです。
そして、治療した後は、嚙み合わせを意識して、歯を元の形に作り直す必要があります。
そのために、治療をして空洞になった部分に「コア」と呼ばれる人工の歯の土台を作り、その上に歯のかぶせ物をしていく施術を行います。
歯の土台の種類
歯の土台(コア)には、主に3種類の素材があります。
- メタルコア
- レジンコア
- ファイバーコア
土台の種類は、
ファイバーコア→レジンコア→メタルコアの順にリスクが少なく、費用もファイバーコアが一番高くなる傾向があります。
メタルコア|根管治療の土台の種類
メタルコアは、一般的に使用されている金属製の土台で、保険適用で使うことができます。
金属で出来ている土台のため、コア自体の強度がとても強いことが特徴です。
メタルコアのメリット
メタルコアの主なメリットは以下になります。
- コア自体の強度がとても強い
- 保険適用で安価で治療を受けることができる
- 複雑な治療ではないため、歯の状態や技術に左右されにくい
安価で強度もある土台ですが、金属を使用したデメリットが多く、費用が安く済むとはいえあまりおすすめは出来ない種類です。
メタルコアのデメリット
強度があり保険適用で受けられるメタルコアですが、デメリットも多い土台です。
メタルコアは、歯を強く食いしばったり、強く歯ぎしりをしたりなどの負荷をかけてしまうと、歯の根が折れてしまう場合があります。
これを歯根破折(しこんはせつ)と呼びます。
また、歯を多く削る必要があったり、歯や歯茎が黒く変色しやすいといった可能性があります。
メタルコアを土台に使用する具体的なデメリットは、以下が挙げられます。
- 歯を多く削る必要がある
- 金属が歯よりも硬いため、歯根破折のリスクがある
- 金属の溶け出しによる歯や歯茎の変色が起きる可能性がある
- 再治療の際、除去が困難になる
- 精度は低いため、コアの脱落などのリスクがある<
レジンコア|根管治療の土台の種類
レジンコアも、メタルコア同様に保険適用の土台です。
メタルコアに比べて歯が折れるリスクなどが少なく、審美性も高い種類です。
しかしながら、一部は金属で出来ている土台のため、メタルコア同様に金属の溶け出しなどによる変色や、歯根破折のリスクなどがあります。
レジンコアのメリット
歯の土台にレジンコアを使用する主なメリットは、以下が挙げられます。
- 保険適用で治療を受けられる
- メタルコアに比べて歯を削る量が少なくて済む
- メタルコアに比べて歯根破折のリスクが少ない
- 金属の溶け出しによる変色や金属アレルギーの心配が少ない
同じように保険適用できるメタルコアよりもメリットは比較的多く、保険適用の治療を受ける場合は、レジンコアをおすすめします。
レジンコアのデメリット
レジンコアにも、いくつかデメリットがあります。
- ファイバーコアと比べて、弾性、強度、耐久性が低い
- 強い負荷を与えると歯根破折のリスクがある
- 再治療の際、金属ピンの除去が困難になる
- レジンコアは直接口腔内で製作するため、術者の技術や歯の環境に影響されやすい
- 金属による暗い影ができるため、ファイバーコアより審美性に劣る
特に、メタルコアとレジンコアどちらにも言える特徴ですが、金属の硬さに比べて自然の歯はとても弱いため、強い負荷がかかると歯根破折のリスクがあります。
歯根が割れてしまうと、せっかく残せた歯も抜歯の可能性が非常に高くなります。
ファイバーコア|根管治療の土台の種類
ファイバーコアは、グラスファイバーのピンで補強したレジンの土台です。
2003年に厚生労働省により認可された新素材の種類です。
自然の歯に似た素材感なので、歯根を壊しにくく、歯質を多く失ってしまった歯にも使用することができます。
ファイバーコアのメリット
ファイバーコアの主なメリットは、以下が挙げられます。
- 歯とよく似た硬さであるため、歯根破折のリスクが低い
- 強度があるので耐久性が高い
- 金属による影や金属の溶けだしによる変色がない
- 金属アレルギーの心配がない
- 土台作りの際に歯を多く削らなくて済む
- 再治療の際に除去が容易である
金属を多く使用するメタルコアやレジンコアよりも耐久性が高く、万が一再治療になっても除去が簡単であったりと、メリットの多い土台です。
自然な被せ物が作れるため、治療後も自然な色合いになります。
ファイバーコアのデメリット
ファイバーコアの主なデメリットは、以下が挙げられます。
- 術者の技術や歯の環境などによって仕上がりや予後が左右されてしまう
- 保険適用外で施術を受けると費用が高くなってしまう
口腔内でコアを製作する場合は予後が左右される場合があります。
また、自由診療の場合は、保険適用施術を受けるよりも費用が高くなる場合があります。
しかしながら、歯根に対する負担が他の土台よりもかなり少ないことが何よりの特徴です。
保険適用外のため、費用は高くなりますが、ご自分の歯を長く保つことができること、審美性にも長けている点から、根管治療に使用するならばファイバーコアを選ぶことをおすすめいたします。
根管治療は痛みが激しい?
これから根管治療を受ける予定のある方や、過去に根管治療を受けて痛みや違和感が気になったという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
特にこれから根管治療を受ける方は、痛みについて不安を感じてしまいますよね。
ここでは、根管治療の痛みについて詳しく解説いたします。
根管治療を行う際は痛みを生じやすい
根管治療は、歯の神経に関わる治療を行うため、痛みを感じやすい治療です。
特にこの3つは痛みを生じやすいとされています。
- 汚染された神経を抜くとき
- 歯根の先に病巣がある場合(根尖病巣)
- 根管の中に薬を入れたとき
根管治療の際に痛みが激しいときは、鎮痛剤を使用します。
通常、根管治療をした後の痛みは2,3日~1週間程度で緩和していきます。
根管治療の痛みは緩和できる?
吉松歯科医院では、治療時に毎回麻酔を実施しております。
患者様の症例によっては、根尖部分から感染部を除去したり薬液を出す場合もあり、この場合は非常に痛みを生じやすくなります。
痛みの強い根管治療の不安を解消するため、麻酔を行ってから治療を行っております。
根管治療の後に痛みや違和感を感じる場合
先ほどご説明いたしましたように、根管治療をした後の痛みは通常2,3日~1週間程度で緩和していきます。
しかしながら、使用した歯の土台によっては、金属の強度に歯が耐えられずに歯根が折れてしまったり、根管治療が正しく処置出来ていない場合もあります。
激しい痛みを繰り返したり、膿が出てくるなどといった異常を感じた場合は、早急に歯科医師で診察を受けてください。
また、過去に根管治療を受けていたけれど、途中で通院をやめてしまったという方も、歯の土台に違和感を感じるといったことがある場合は早めに受診するようにしましょう。
せっかくお金と時間をかけて行った根管治療も、その後の違和感や痛みを放置してしまうとさらに悪化してしまい、最悪の場合抜歯することにもなりかねません。
根管治療にはどれくらい費用が掛かる?
根管治療は高度な技術が必要とされるため、費用が高くなる場合があります。
保険適用で安く済ませようとしてしまうと、治療中も痛みが生じたり、満足出来る治療が受けられない場合があります。
痛みに配慮し、土台による歯への負担も軽減するならば、自由診療で最先端の治療が受けられる歯科医院を選びましょう。
こちらでは、根管治療の費用についてご説明させていただきます。
根管治療の費用相場
根管治療は、保険適用か自由診療かによって料金の変動があります。
保険適用の場合は、決まった割合のみの負担になるため、費用が安く済みます。
自由診療の場合は、保険を使用しないため、治療にかかる費用は全てご本人のご負担となります。
保険適用での治療の場合
加入している健康保険によって、ご本人が負担する金額は変わってきますが、3割負担である場合は、1万円の費用の場合3,000円の治療費の負担で受けられます。
しかしながら、保険適用内では高度な医療技術が受けられない場合もあり、1回の治療で十分に治すことができずに、繰り返し通う必要があることもあります。
1回の費用が安く済むことはメリットとも言えますが、上記に挙げたようなデメリットもあるので、より確実に早く完治したいという方は自由診療も視野に入れてみてください。
自由診療での治療の場合
保険を使用しない治療ですので、ご本人の負担が増えるのがデメリットといえます。
しかし、高度な技術でより確実な治療ができるのが自由診療のメリットです。
ご自身の歯を残すためにも、早く的確な治療を受けることはとても重要です。
費用の安さだけで選ばずに、ご自身が納得して受けられるような説明と治療を行う歯科医院を受診しましょう。
吉松歯科医院では、自由診療での治療のみ受け付けております。
また、根管治療の詳しい費用については「根管治療の費用の相場や通院回数は?保険診療と自由診療の違いも」の記事でより詳しく解説をしておりますので、受診前に確認してみてください。
根管治療における土台の種類について|まとめ
今回は、根管治療における土台の種類、治療中の痛みなどについて解説いたしました。
根管治療は、汚染された歯の神経を綺麗に除去して、土台を再構築する治療です。
そのため、治療中は痛みを感じやすかったり、術後もしばらくは痛みや違和感が残りやすいとされています。
また、歯の土台となる素材には種類があり、それぞれにメリットデメリットがあります。
このようなお悩みをお持ちの方は一度、吉松歯科医院へお悩みをご相談ください。
- 「今の自分の根管治療に納得がいかない」
- 「せっかく歯を残すなら、出来る限り負担をかけたくない」
- 「金属で土台を作るのは避けたい」
吉松歯科医院では、患者さん一人ひとりのご希望に沿った治療計画を作成し、治療回数に関するご相談もお受けしています。
経験豊富な歯科医師、吉松歯科医院の吉松宏泰が自分の歯だと思って、親身になって治療にあたらせて頂くので、安心してお任せ下さい。
当院では、患者様一人一人とじっくり向き合って治療を行うために、完全予約制とさせて頂いています。
来院される前に、まずはご予約をお願いいたします。
初診時には1時間ほどかけて検査やカウンセリングを行います。診察後のお時間に余裕を持ってお越しください。